4月から新人デザイナーの教育係になる人や、
すでになっている人もいるのではないかと思います。
私は、新人やインターンを何人も教えてきました。
技術的なことだけ教えて、できれるようになればいいのですが、
そうはいかないところが教える際の難しいところです。
新人を教える場合に、次の8つのことを心がけています。
もくじ
(1)すぐに覚えさせる
「ずっと使えることは、すぐに覚えろ」とは、
以前の職場の上司の口癖でしたが、本当にその通りだと思います。
新人は、教えるときっちりメモをとりますが、
ショートカットなど簡単なものも
すぐに覚えないことが多く、何度もメモを見返しています。
ずっと使えることは、すぐに覚えさせるようにしています。
デザインもコーディングも反復して覚えることで、
飛躍的にスピードがアップします。
時々、覚えているかチェックして、
覚えてないようなら暗記させるようにしています。
(2)デザインとコーディングをやっている所をみせる
なるべく速い段階で、
デザインとコーディングをやっている所を見せています。
隣で見てもらうことで、
・デザインやコーディングどのくらいのスピードで行っているのか
・どのように作業をしているのか
を、知ってもらいます。
最初はどうやっているのかわからず、
試行錯誤するためにスピードが鈍りがちです。
やってみせると、制作スピードの速さに驚きますし、
制作過程をみることでイメージがわきます。
また、プロとして、目指すべきレベルを把握してもらうことは非常に大事です。
口で教えるだけでなく、「やってみせる」ことが非常に大事と思います。
(3)出し惜しみしない
教えてすぐにできることなら、
すぐに教えた方が効率がいいです。
自分が一生懸命調べて習得したものを、
簡単に教えるのに躊躇するかもしれませんが、
出し惜しみせずに教えるようにしています。
苦労して体得することも必要ですが、
体得するための苦労は別のことでさせればいいだけです。
自分と共通の知識や技術を持たせることで、
速い段階で仕事を与えることができ、
力強い戦力となります。
(4)時間に対する感覚を教える
提出の期限が近づいているのに、デザインができあがらずにに焦ったり、
予想より時間がかかり、間に合いそうになくて焦ったり、
と、精神的に凹んだ経験は誰でもあるのではないでしょうか?
特に最初の頃は「時間」に関するプレッシャーに
押し潰されそうになることが多く、
最悪の場合、メンタル面で不調を起こすようになります。
時間についてはなるべく早くから対策する方がいいと思います。
まずは、
・どのくらいでできるか決めさせる
・遅れた場合は、なぜを遅れたのかを考えさせる
・遅れている理由を解消する対策を一緒に考える
を繰り返し、
時間に関する感覚と対策を教えるようにしています。
また、今日中など夜の12時でもOKになるような
時間設定はしないようにしています。
例えば、
クライアントに本日中と期限を伝えて夜の23時50分にメールを送っても、
クライアントが確認してくれるのは大体翌日の朝です。
本日中の場合は、クライアントの業務終了時間の1時間前を目安として設定し、
帰宅前に軽くチェックできるようにしています。
なので、基本的に定時の一時間前をリミットとするようにしています。
(5)ほったらかしにしない
ほったらかしにすると新人も不安にかられます。
こまめに声をかけて、進行をチェックしたり、
アドバイスしたりするようにしています。
あと、進捗をきく場合は「できた?」ではなく
「どんな感じ?」ときくようにしています。
「できた?」では、「できた」「できてない」の2択しかなく、
「でいてない」とは答えずらく、進捗が把握しづらいかです。
時には厳しいことをいったり、辛くあたることもあるでしょうが、
普段から、コミュニケーションをとって信頼関係を築くことが
一番大事かもしれません。
(6)手を抜かせない
できなくても叱ることはないのですが、
手を抜いた場合は叱るようにしています。
手を抜くのはプロとしてもダメな上、
成長も望めないからです。
また、手を抜いた場合に一番大きい問題は、
今まで他のスタッフが積み上げてきた信頼を失う可能性があるからです。
そのため、手を抜いたら叱るようにしていますし、
手を抜かないように指導します。
(7)整理整頓をさせる
何かの本で、
「サラリーマンは一年間で100時間もモノを探すのに時間を使っている」
と読んだことがあります。
データやコーディングなど探すのに時間がかかるとストレスになる上
無駄な時間も費やし何一ついいことはありません。
基本ですが、ずっと使う技術なので整理整頓は、徹底させます。
(8)必ずチェックさせる
コーディングやデザインなど、
提出させる場合には、必ずチェックさせるようにします。
時間に追われて焦ってくるとチェックせずにだす傾向が多いようです。
たった一カ所の誤字脱字で、信頼感が失われることがありますから、
チェックを徹底的にさせるようにしています。
まとめ
最初は新人でもある一定のレベルになれば手を離れていきますし、
頼りになる仲間になります。
いろいろ面倒なことや大変なことはありますが、
成長をみるのは楽しいものです。
この記事が参考になれば幸いです。
photo credit: Alexander Rentsch via photopin cc