2014.03.03のGIZMODOに「米VFX業界の闇。『ライフ・オブ・パイ』製作チームがアカデミー賞前夜の倒産ドキュメンタリー公開、会場前でデモ(動画あり) 」という記事があります。
2013年『ライフ・オブ・パイ』でアカデミー視覚効果賞を受賞する11日前に経営に行き詰まって倒産したVFX大手、リズム&ヒューズ社のドキュメンタリーの日本語訳の記事です。
映画は見てないのですが、映像が美しいと思ったので、当時この記事を読んで倒産に驚きました。
VFXを多用した映画をみていると、時間を確保しつつ、資金に余裕をもって制作しているのかと思っていましが、この記事を読むと、現場は修羅場だと感じました。
私は英語がわからないので、日本語訳での読んだだけの解釈ですが、心に残る言葉をピックアップしました。
価格について
「家を建てるのに似てる。家なら建て直したら建て直す分の労賃と資材のお金が入るが、視覚効果はそうじゃない。最終成果物で最初から値段が決まってるんだよね」マーカス・カーツ、製作技術VP
「映像は途中で長くなったり短くなる、人やキャラクターも入る、それでも変更分のギャラは入らないのね」リー・バーガー、プレジデント
進行について
「明確なビジョンがあってそれに向かって突き進んでいくならまだしも、明確なビジョンに向かって走ってるつもりが半年後、突然全くあらぬ方向に変更になっちゃう、なんてことも多い」ジョン・ヒューズ、創業者兼CEO
「とりあえず行き先もわからずに車を走らせるような状態。『ガス欠にならんの?』 『知らんよ、とにかく走ってるだけ』みたいな(笑)」ジャック・フルマー、プリライト監督
ビジュアルについて
「明確なビジョンのある人が不在の状態で、視覚効果に頼ってばかりじゃ、まず成功しないよね」マーカス・カーツ、製作技術VP
モチベーション
「もう金のためにやってる人間なんかいませんよ。みんな好きだからやってる」
「アーティストはどう転んでもアーティスト。それは誰にも変えられない。『あ~この会社畳むから、あんたもう今日からアーティストじゃないよ』なんて誰にも言えないでしょ。冗談じゃない、僕らはアーティスト、どこまでもアーティストさ」スタッフ
まとめ
「もう金のためにやってる人間なんかいませんよ。みんな好きだからやってる」という言葉が、業界を支えている人々の言葉を表している気がします。